霧の中から
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霧ヶ峰の先人たちに想いをはせて
ビジターセンター連絡会のイベント、エコツーリズム講座2010が昨日全5回の日程を終えました。

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最後の講演を担っていただいたのは沢渡にあるヒュッテジャヴェルオーナー高橋保夫さん。
戦前(昭和10年)に武田久吉、柳田國男、深田久弥、中西悟堂、尾崎喜八などの多くの文化人が集まって行われた「霧ヶ峰・山の会」についてお話いただき、先人たちを惹きつけたこの山の魅力、そしてその大地に記されてきた独自の芸術や文化、歴史をこれからも大切に拡げていっていってほしいという高橋さんの想いがこめられた講演となりました。

個人的にも高橋さんのお人柄や想いには強く共感するところがあって、準備の段階から力を入れてきたのでこの講座が終わってなんだか心軽やかな気持ちです。打ち合わせなどで高橋さんのヒュッテにお邪魔すると、この山の文化に対する深い造詣をお持ちであるだけでなく、「過去のことはともかく(それもすばらしく大切だけど)未来のことを考えるのが本当にいいことだ」と楽しそうにお話され、こちらまでわくわくしてきたものでした。
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詩人尾崎喜八は昭和10年の霧ヶ峰・山の會で講演した時、「山と芸術」について、スイスで山やそこに暮らす人々を多く描いた画家‐ジョヴァンニ・セガティーニを引き合いにだしました。高橋さんがセガンティーニのスペルを黒板に書いたとき、パソコンのなかった70年前の山の会でも、あるいはこんな黒板を使用していたのかな、とモノクロなイメージだった当時の山の會がふと色彩を取り戻したかのようでした。

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地元の方々に霧ヶ峰の魅力をもっと知ってもらうというのが今回の講座の目的でした。昨日は宿の方々も来場され、みな真剣な(少し微笑みまじりの)まなざしで高橋さんのお話に聞き入っていたように思います。そういう意味では今回の講座は成功だったのかな、と。また、今回の講座を通して、普段は少し恐れ多くもある高橋さんのような大先輩の方々と交流することできて、その暖かい人柄にも触れて、一緒にひとつの講座を作ることが出来たことが何よりも大きな実りでした。

こうした霧ヶ峰の古きよき時代を知る方々のお話をもっともっとうかがって、皆でそれを語り継ぎながら霧ヶ峰の未来をより素敵なものにしていけたらどんなに面白いか。ヒュッテみさやまでもこうした視点を大切に良いヒュッテが形作られていくことを願っています。

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by yumitsui | 2010-11-02 14:50 | 日々の出来事 | Comments(0)